総仕上げの学習スタイルは重要です

2月1日まで100日を切ってしまいました。

早く終わってホッとしたいという受験生よりも、もっと時間が欲しい受験生の方が圧倒的に多いでしょう。

 

素人のパーツ選び

いきなり、ときどき話題に出すクルマの話です。

普通の一般の方はクルマを買ったら、あとはオイル交換や洗車やディーラーに点検に出すくらいだと思いますが、

私の属する世界は、新車をベース車と言います(笑)

そこから車両価格くらいのお金をかけて乗りやすくしていきます。2倍くらいかけている人も決して珍しくはありません。

 

宣伝文句に釣られ、良かれと思っていろいろなパーツ(部品)購入していくのですが、

サーキットを走ってタイム短縮を目標にすると意外や意外

いままでつけていたパーツが悪さをし、逆効果になることもあります。

 

まずノーマルに戻してそこから改めて考えようと言われることも多々あります。

特に初心者はその傾向があります。

財布の紐の固い私は、つけたいパーツを「○○は効果ありますか?」と第三者に聞きます。

かなりの割合で、

「あれは意味がない」、「あんなのつけたら乗りにくくなる」、「デメリットの方が多い」

という言葉が返ってきます。

 

こういう経験を積んでいくと、華やかな広告を見ても

「この人(メーカー)は、売りたいだけだ…」という冷めた目で見るようになってしまいます。

 

やや長めの導入でしたがこれで終わりです。

ここから本題に入ります。

 

入試が迫ったら復習中心!?

入試まで100日を切っています。関西の方や12月本命の方はもうとっくに切っています。

残り100日間はいままで以上に重要な位置づけになります。

 

よく塾では、最後は自信をつけるために、復習中心で新しい問題に手をつけないと言われますが、

私はその意見には大反対です。

その後ろ向きの姿勢が逆に自信をなくしていませんか?

新しい問題をやっても解けないだろうから、やるなですから。

入試は新しい問題が出るので、本番に向けて、新しい問題を見る目を養うことが大切だと思うのですが。

 

たびたびブログにも書いていますが、このころからようやく論理的な問題を解ける受験生も増えていきます。

ようやく伸びるステージに立ち始める状態になったのに、新しい問題を解かないのはもったいなさ過ぎます。

 

木を見て森を見ず

そもそも塾講師のアドバイスはプロの意見として絶対のものとは言いきれません。

理由は、自分の子供の受験勉強生活が思想のベースになっているわけではなく、保護者様からのご相談がベースになっているからです。

さまざまなご相談をバランス良く解釈して吸収し、自分の思想を築いていきます。

それが苦手な講師もいます。

 

「1月に新しい問題をやったらスランプになってしまった!」

そういう声を1、2件聞いてしまうと「1月は新しい問題はダメ!」となってしまうのです。

「○○で失敗した」というご相談の影響を受けやすいタイプです。

新しい問題をやって上手くいっているお子様とそうでないお子様がいることを冷静に判断しなければならないのに、

衝撃の強い方が印象に残るのでしょう。

 

新しい問題を、難問から易問までバランス良く解くことを軸にして、

このスタンダードプランで上手くいかないと思われる場合は、個々に対応して、易しい問題、難しい問題、典型題、思考系の比重を重くしたり軽くすれば良いのです。

 

できないときは基本に戻れと言われますが

対話式スカイプのお客様で、得点力がもう1歩の方がいました。

当然のことながら、基礎が不足していると思いました。

ところがいくつかの単元の基礎に戻ると、なんとか自力で答えまで辿り着くのです。

 

楽々と力強い足取りで答えまで辿り着いたわけではないので、基礎が不十分と判断する講師もいることでしょう。

そういう講師だと、「基礎を重視」という学習プランを組まれることでしょう。

 

しかし、私は自力で辿り着けるのなら基礎力「問題なし」としました。

万全ではありませんが、基礎重視の学習ではなくても基礎はこれからも身につくので、重視しなくていいと判断しました。

これは私の意見に絶対の自信があって、基礎重視と決める講師はダメと言っているわけではありません。

どっちが正しいかは結果が出るまでは分かりませんし、結果が出てからも分からないかもしれません。

 

しかし、自分でどちらが正解でどちらが不正解とはっきり区別し、具体的なアドバイスをしないことには始まりません。

前回のサッカーワールドカップのザッケローニ監督のように選手交代の決断ができないようでは、つとまりません。

 

得点力アップは「対話」で

ちなみに基礎重視の判断をしなかったのですが、もちろん得点力がもう1歩なので、応用というわけにはいきません。

選んだ作戦は「対話」です。

名称も「対話式スカイプ」なのでピッタリですという冗談はさておき、

どうして模試で正答にならないのか、その欠点を探すことにしました。

どの条件から使っていき、どういう手順で考えていったのかを細かく説明してもらいました。

どうしてそれを使いたくなったのか聞きます。

 

正解ではないので、論理が破綻していることも多々ありますが、早々に模範解答を伝えても改善しないと思っています。

「○○があったら逆比」とか、「○○だからあてはめ」などの、糸口の見つけ方を伝えることもありますが、

「○○を●●と考えてはいけない」という禁じ手を伝えることの方が多いです。

 

抽象的で分かりにくいので、ニュートン算を例にします。

ニュートン算は、牛の場合で言うと、頭数と日数の関係は反比例にはなりません。

ニュートン算がしっかり理解できていないと、ニュートン算の融合問題などでつい反比例にしてしまいます。

ニュートン算と感じたら「反比例じゃない!」と心に叫ぶようになると、変な答えになる確率が下がります。

 

そういう説明は、集団授業でなされているはずだと思いますが、お子様に届いていないことは事実です。

今回の私の説明でお子様にしっかり届いたかどうかは分かりませんが、

集団ではなく、個別に直接の方が伝わることは確かです。

今回ダメでも、数回くり返せばしっかり身につくと思います。

 

ラストスパートは本当にスパートできる

残り100日間のやってもらう課題(初めての問題、復習、テスト形式、単元集中型、難問・易問の比重etc)を選ぶ判断が難しいですし、

説明するときも、どこまで説明するか(答えまで言わない方がいいに決まっていますので)のさじ加減も難しいです。

本題に入る前のパーツ選びのように、自然と間違った方向に行きやすくなるケースもあります。

私も含めて、みな営利目的ですので。

 

しかし、逆に言えば、難しいからこそ、決まると大きなアドバンテージになります。

4、5年生のころ必死にテキストの問題を身につけますが、なんとか身につけられれば他の人との差はそれほど生じません。

それは皆同じような画一的な学習だからです。

 

論理力が育ち、いろいろな学習スタイルができるということは、タイムリーなものをやるかそうでないかで差が出ます。

合格率を高められるような最良の作戦で残りの期間をがんばって欲しいです。